豆焼沢・瀧谷洞探検ケイビング

PCCでは、瀧谷洞研究のためのルート整備、ルート確認を目的として2024年4月27日(土)〜28日(日)埼玉県豆焼沢にある 「瀧谷洞」にて、ケイビングを行いました。

参加メンバーは、L濱田、SL林田、今野、臼倉、白石の5名。

今回は第一洞口(上の洞口)から入洞し、第三洞口(下の洞口)へ抜けるルートの確認です。

ルート:第一洞口→最初のホール→コの字ホール→白い滑り台→見晴らし台→【活動A】→獣骨ホール→【活動B】→第三洞口

最初のホールからコの字ホールまでは、チムニールートと呼ばれる、ロープを出さなくても通過できる(といわれていた)ルートを確認しました。

【活動A】では、2023年11月5日の活動で垂らした獣骨ホール上からのロープを見晴らし台から5-7メートルほど登り返し、テラスを伝って獣骨ホール上部を洞口方面にトラバースすることを試みました。

【活動B】では、処女の池の水位を確認した(参考:2023年6月10日の活動)。

ゴールデンウィーク初日でしたが大きな渋滞には巻き込まれず、出会いの丘から27日13:30に出発。途中の沢で宿泊準備(この日は今野と林田がハンモック泊、あとの3名は雑魚寝スタイル)をしつつ、16時ごろに第一洞口から入洞しました。

最初のホールのSRT下降はローププロテクターを3つも挟むため、降下に時間がかかる上安全上の懸念も。次回以降の活動で支点を作り直すことにします。

その後、濱田が念の為ロープを出しつつコの字ホールまで抜けるチムニールートを確認します。途中、少し高度感のある場所を通過したりしましたが、コの字ホールまではなんとかロープ無しでも行けそうでした。ただし、現代の安全基準ではロープがあった方が良さそうで、一旦ここに利用した30mダイナミックロープは残置しました。

今度は林田が50mロープを出しつつ、コの字ホールから白いすべり台を目指します。覗き込むとメインシャフト上部が見える穴をトラバースし、白いすべり台手前のホールをSRT下降、そこから白いすべり台を通過して見晴らし台へと到着しました。ロープは一旦残置していますが、ここまでのルートは50mも無く、またローププロテクターも勿体ないので、次回以降このロープは回収したいと思います。

【活動A】獣骨ホール上からのロープが見晴らし台の岩にディビエーションされていることを確認し、まずは林田がここからロープを登ってテラスを目指します。だいたい5-7メートルほど登るとそのテラスに到着し、トラバースができそうなルートも確認しました。ただし、ナチュラルプロテクションができそうな岩が無かったため、登ってきたロープをそのままセルフビレイ用として使い、テラスをトラバースすることに。獣骨ホール上部なので、高度感は抜群です。ムーンミルクでぬるぬるするテラスを慎重にわたり、左から張り出す岩の向こうを覗き込んだところ、そこは断崖絶壁でした。さらに5mほど上に岩の窪みがあり、その先が続いている可能性はある(窪みの奥に穴のようなものは見えたが人が通過できるかは不明)ものの、ボルトを打ちながらのエイドクライミングになることは必須で、今回はパス。

そして、戻るときのテラスの中腹で足をすべらせて宙吊りに。少しだけ壁に体を打ったものの、無傷でした。もし落ちたら数十メートル落下するため、かなり冷や汗。STOPに付け替え、林田はそのまま獣骨ホールまでSRT降下しました。

その後白石と濱田が1人ずつテラスまで様子見に登り、SRT降下。今野、臼倉は見晴らし台から直接SRT降下しました。

【活動B】活動時間に余裕があったため、処女の池の水位がもし低く、奥への空間が空いていれば先まで行ってみようという話になり、急遽白石と今野が水位を確認しに行くことに。結果的に水位は穴の上端と同レベルで、今回は奥まで行かずに出洞することになりました。

やはり直近の降雨量が水位に影響しているようです。アメダスの秩父の情報によると、直近1ヶ月の降雨量は以下の通りでした。

3月27日:0mm
3月28日:5mm
3月29日:19mm
3月30日:0mm
3月31日:0mm
4月1日:0mm
4月2日:0mm
4月3日:7mm
4月4日:1mm
4月5日:0.5mm

4月6日:0mm
4月7日:0mm
4月8日:0mm
4月9日:39.5mm
4月10日:0mm
4月11日:0mm
4月12日:0mm
4月13日:0mm
4月14日:0mm
4月15日:0mm
4月16日:0mm
4月17日:0mm
4月18日:0mm
4月19日:0mm
4月20日:0mm
4月21日:2mm
4月22日:1mm
4月23日:0mm
4月24日:5.5mm

4月25日:0mm
4月26日:0mm
4月27日:0.5mm(午前7時)

瀧谷洞は山間なので秩父の降雨量とは一致しないものの、1ヶ月〜3週間前の降雨(緑色の部分)か、18日前の豪雨赤色の部分)か、直近1週間の降雨(青色の部分)か、のどれかが影響している可能性がああります。もしかしたらさらに以前の降雨が影響している可能性もありますが、そうなると水位予想は非常に難しくなります。今後の活動でもなるべく頻繁に水位を確認するようにして、いつの降雨が最も水位に影響を与えるかを特定したいと思います。(上手く特定できたらケイビングジャーナルにも出稿したい)

出洞は21時ごろ。約5時間の洞内活動でした。出洞後は沢泊を楽しみ、翌日全員無事に下山しました。

洞内、特に手前部分の全容が体感的にもわかりつつあり、今回も大満足の活動でした。次回の活動も楽しみですね。

(林田 記)

注意!
豆焼沢・瀧谷洞は、一般の方の入洞が禁止されています。