ケイビング入門 – SRT装備編

ロープ1本を使って昇降するSRT(Single-rope technique)は、竪穴の探検に必要不可欠なスキルです。大変危険なので、実際にSRTを行う際は専用の道具を使い、きちんとした指導者による訓練のもと行うようにしてください。

ディッセンダー

ロープで降下する際に用います。ロープが水や泥で汚れていても十分な制動力を発揮し、また降下途中で両手を放して作業をするシーンがあるため、Petzl製のSTOPを推奨しています。エイトカン、ATCの利用は推奨しません。

アッセンダー

ロープで上昇する際に用います。手で持てる形状のハンドアッセンダー、ハンドアッセンダーに接続して足で踏ん張って体を持ち上げるためのフットループ、ハーネスと接続するチェストアッセンダーの3つが必要です。
PCCでは、ハンドアッセンダー、チェストアッセンダーは実績のあるPetzl製を推奨しています。Petzl製のフットループは片足しか入らないサイズで、長距離のSRTだと疲労するため、8mmロープで自作する方がよいです。ハンドアッセンダーを利用する際は、ハーネスとランヤードで必ず接続するため、自作する場合はランヤード込みで作ってしまうのがおすすめです。

ハーネス

クライミング用やツリークライミング用のものではなく、ケイビング用のハーネスとショルダーストラップを用います。
クライミング用のものを使うと、上昇時にチェストアッセンダーが体から離れてしまい、余計な体力を浪費してしまいます。また、ツリークライミング用のハーネスは引っかかりが多く、狭い洞内での活動に不向きです。
Petzlからは数種類のハーネスが発売されていますが、最もシンプルで引っかかりが少ない構成の「スーパーアバンティ」をおすすめします。
また、SRTで上昇する際はショルダーストラップをかなり強く締め上げて体勢を保持するため、ショルダーストラップは背中側がハーネスと連結可能な「トルス」をおすすめします。
ハーネスの腹側は、「オムニ」でロックします。スクリューロックタイプだとロープが擦れてロックが解除されてしまうことがあるため、トライアクトロックタイプを推奨します。

ランヤード

セルフビレイ用に、最低2本のランヤードが必要です。オムニに接続して利用します。
ランヤード自体の擦れの強さはPetzl製「スペルジカ」が優れているのですが、短い方のランヤードが使いづらく、Petzl製「デュアルキャニオンクラブ」のようにどちらも長いものがおすすめです。ただし、「デュアルキャニオンクラブ」はSRTで使うには少し長めなので、体が小さい方は8mmロープで自作するのも良いです。

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