大久保の風穴練習ケイビング

2000年7月2日(日)、茨城県日立市にある大久保の風穴でSRT訓練を中心とした練習ケイビングを行う。参加者は伊藤、内山、大喜多、小野、小堀、小山、佐藤、星野、山西とゲスト1名の計10名。
 まず山西の指導のもと、小山が50mロープでリギングして洞口奥側の竪穴に降りた。続いて星野が20mロープでリギングして、さらに下のピッチへ降りた。竪穴の底には水流があり、その先は地底湖となり終わっていた。
 それと並行して、内山が40mロープを使用して洞口手前側の竪穴を降りていた。佐藤、大喜多も洞口手前側でSRTの練習をしたようだ。次に、洞口奥側の竪穴と洞口手前側の竪穴を入れ替えて練習した。洞口手前側の竪穴の下は迷路状に入り組んでおり、意外と楽しめた。ここで時間切れとなり、練習を終了して出洞した。
 本来ならば人工登攀の練習も兼ねて、最奥部にも行く予定だったのだが、時間の関係で無理であった。次回は最奥部を目指したいと思う。
(小山 記)  

 

 朝7:00に池袋駅に集合(5名)し、車で首都高速道路、常磐自動車道を経由して現地に向かう。勝田駅で9:00にゲストの関さんをピックアップし、国道6号線の常陸多賀から左折し、大久保の風穴に10:00着。山西、前日から活動していて、大喜多、小山はすでに到着していた。
 まず、最初に班分けを行った。SRT班は伊藤、内山、大喜多、小山(SL)、佐藤、星野、山西(CL)の7名。洞内見学班は小野、小堀(SL)、関さんの3名。
 着替えが終わると、洞内見学班の小堀、小野が確保用に20mのSRTロープとシットハーネス、ATCを持って、先に洞口~上部の探検に向かう。
 SRT班は団装を確認。山西より、ロープチェックの方法を教わり、各自、抜け止めにエンドを結んで、チェックをしながらロープバッグにつめる。
 今回はSRTロープのみで、50m、40m、20mの3本を使った。洞窟内ではボルトが多く打ってあるとのことで、ハンガ、マイヨン、カラビナとスリングを適宜持ちこむ。SRTハーネスは事前に各自装着し、山西にチェックしてもらう。
 11:00、小川を対岸に渡り、30mくらい登る。さらに鎖場3mを上がると洞口に着く。背負ったロープ類に後ろに引かれて、登りにくかった。
 横穴部を通り、途中、鉄バシゴ4mを登り、6畳間を通り、竪穴の上の8畳間に着く。ここをベースに、リギングを開始する。今回は50mロープで、まず、8畳間奥左壁に2か所バックアップをクラウンハンガでとり、右奥の竪穴上部まで、壁に2個所トラバース用にツイストハンガ+マイヨンでアンカした後、竪穴上部に2か所、メインアンカをとり、第1ピッチとして、そこから約20m降下し、ホール床に到着した。
 その左奥がさら5mくらい落ちこんでいたので、落ちこみの上でツイストハンガ+マイヨンでロープを流して、リビレイとした。落ちこみの先は10mくらいの緩やかな下りで、その先が、10mくらいの竪穴になっている。
 次の20mロープを使い、手前の横穴部でバックアップアンカをとった後、自分のストップにかけてセルフビレイしながら、竪穴上部に乗り出して、ボルトを探すが、よくわからない。山西に聞くと、「ルート整備されていれば、必要と思われる所に必ずボルトがあるはず」とのこと。改めて、そのつもりで見ると、いいところに2か所ボルトを見つけ、早速ハンガを取り付けにかかる。この時、まずカウズテールにハンガ(+マイヨン)をかけると落とさなくてよいと教わる。
 身を乗り出しながら、めがねレンチをまわすのに時間がかかる。2個ハンガをつけてラビット結びでつけてみたが、短くて角度が開きすぎる。このピッチでは、ロープ長がぎりぎりなこともあり、ロープ消費が少ないボーラインオンアバイトが良いことと長さ調整方法も教わる。
 聞けば簡単だったが、自己流では、なかなかできなかった。ロープを降ろしてみると、ホールの床まで届いたので一安心。しかし、よく見ると、傾斜の関係で、ロープがわずかに壁付きになり、降下、登高時に壁に足をつけてロープを浮かさないと、壁に接触する。このためデビエーションをとるべく、反対側の壁を探したが見つからない。聞くと、トップのリギングをセカンド以下が必要に応じて修正するので、先に進んでいいとの指導で、降下して床に着き、到着コールをした。この先はさらに10mほどの緩い下りの横穴で水流部に出ていきどまる。
 今回、自分で初めてリギングをしたが、やはり側で指導してもらえると、非常によく解る。とくに、なぜそうなのかとの基本の考え方や、こうすればうまく行くとのコツが伝えてもらえて、すごく勉強になった。さらに自分でも多くの経験をつむ必要があろうが、また機会を作って、ぜひ教わりたい。
 今回、SRT班では、8畳間から、洞口方向へもう1ルート、40mロープでリギングをした。こちらは、最初の3mくらいの下降後、急な斜洞を10mくらい降りて、その先が10mほどの竪穴になっていた。その下は洞口方向の横穴で、さらに一段下層に通じる狭洞を抜け、水流部をいくと、下の流出口付近にでて、外部の物音がよく聞こえたとのことであった。

(星野 記)