葛生地域洞窟探索

1986年2月16日(日)。晴れ。栃木県安蘇郡葛生町、栃木市出流町にて葛生地域第4次洞窟探索を行う。参加者は芦田、白幡、深田の3名。
 今回は、レンタカーを利用して葛生、出流地区において、広範囲な洞窟探検、探索を行った。まず、最初に葛生町にある水木鍾乳洞に行く。この洞窟は『週刊プレイボーイ』誌(昭和60年第19号)に探検レポートが載り、その規模は約400mで、巨大な地底湖がある!──ということであった。そのため、大いに期待して入洞したが、洞窟の実態はレポートとは天と地ほどの差があり、その規模は約40m程であった。また、巨大な地底湖も見当たらず、最奥部に直径3m程のプールがあるだけであった。そこで、早々に次の目的地に移動することにした。
 山を越え、大釜地区で短時間の洞窟探索を行う。この地区は1983年の出流鍾乳洞群第1次洞窟探索の時のヒヤリングで、湧水があるという話を聞いていた。しかし、今回、それを確認することはできなかった。山の上の方に石灰岩らしい岩峰を確認したが、時間の都合で、そこまでは登らなかった。
 次に向かったのは、出流地区の満願寺上流の山間部であった。ここも、やはりヒヤリングで、相当深い縦穴があるということを聞いていたのだが、この穴も確認することはできなかった。ただ、山の中に石灰岩の露出した地形が広範囲に広がっているので、もう少し時間をかけて探索を行えば、成果を上げることができるかもしれない。
 その後、満願寺境内に移動し、過去2度にわたって敗退した大日の霊窟の最奥部突破に3回目のチャレンジをした。この狭洞部は上に向かう斜洞で、洞床が非常に崩れやすい。また、天井や洞壁には無数の亀裂があり、落盤の危険性が高い。しかし、奥の方から強い風が流れ出しているので、その先には巨大な空間が存在する可能性があったが、今回も足場が大きく崩れ、またもや突破を断念した。次回には、なんとか突破したいものである。
(深田 記)