PCCでは、瀧谷洞研究のためのルート整備、ルート確認を目的として2024年7月28日(日)埼玉県豆焼沢にある 「瀧谷洞」にて、ケイビングを行いました。
今回は2チームに分かれての活動です。
5:30出会いの丘出発。暑さを避けるため通常より30分早めに行動開始。
Aチーム:一部ルート確認、白い滑り台ロープ回収:L濱田、SL飯島
Bチーム:獣骨ホール~処女の池チロリアンブリッヂ設置:L林田、SL臼倉、川崎
Aチームの記録:一部ルート確認、白い滑り台ロープ回収
第一洞口から9:15に入洞。
5月12日の活動によるルート整備で非常に扱いやすくなったSRT支点より、最初のホールから一部ルート確認の為、無限チムニーに向け下降。
気になっていた箇所を確認、真新しいものは発見出来ず、白い滑り台に向け登り返す。
白い滑り台入り口にあるアンカーの岩からロープは一段下の岩に巻き付いており、上からの引き上げは不可。
飯島は初のルートであった為、濱田、飯島の順でロープ末端まで下降する。
下降地点から上を見上げると無限チムニーから伸びたロープを確認することが出来た。そのロープは獣骨ホールまで続いていた。
活動中Bチームの話し声や作業音が終始はっきりと聞こえ、洞内の不思議を体感する。
迂闊な話はできないなと思う。
石灰まみれのロープを回収し、コの字ホールからメインシャフトへ向け出発。
12:30 チロリアンブリッジを設置中のBチームに合流し安堵。
完成したチロリアンブリッジの喜びを分かち合った。
(飯島 記)
Bチームの記録:獣骨ホール~処女の池チロリアンブリッヂ設置
第三洞口から8:30に入洞。
轟川で写真撮影をしつつ、まずは処女の池へ。
梅雨時期で大気が不安定なため、ここ数日にわか雨が降っていたはずであるが、処女の池の水位は低い状態だった。水面の隙間も奥まで続いていたが、ぐっと我慢して本来の目的であるチロリアンブリッジの支点構築へ。
5月26日の探検時に獣骨ホール側のアンカーは打ち終えていたため、今回は処女の池側のアンカーを打つ。メインロープとサブロープ、それぞれ3つずつ支点を取るため、計6個のアンカーが必要である。ロープを張ってぶら下がった際になるべくロープが岩と擦れないよう、アンカーが弱い向きに引っ張られないよう、アンカー同士がなるべく離れた位置となるように、気を付けて振動ドリルで穴を開ける。
母岩の位置の問題で、足をすべらせると処女の池へ落ちてしまうため、アブミとスリングに立ち込みながらの作業となった。開けた穴の破片を取り除くためのストローを忘れてしまったため、穴に直接息を吹きかけるが、口の中にたくさんの石灰が入ってくるので結構辛い。
1時間ほどでボルトを打ち終え、ハンガーを取り付けた後、メインロープとサブロープをそれぞれ3点流動分散で支点構築した。
次に、設置したロープを林田と川崎がそれぞれ担いだまま処女の池を降り、獣骨ホールのテラスまで上がって獣骨ホール側の支点を構築した。メインロープとサブロープでそれぞれ3倍力システムを組み、二人がかりで引っ張って、3点固定分散で支点構築した。
試しに体重をかけてみたところしっかり支えることができたが、ロープがたわんでテラス端に当たってしまうため、暫定対応としてロープバッグをローププロテクター代わりにテラス端に設置した。
ペツルのタンデム(ダブルプーリー)とマイクロトラクション(セルフジャミングプーリー)をメインロープとサブロープにかけて接続し、タンデムには50mの細引きを結んで獣骨ホール側から回収できるようにした。
準備が整ったため、支点を構築した林田が(責任を取る形で)ファーストペンギンとなる。タンデムとサブロープにビレイをとり、テラスに腰掛けて徐々に体重をかける。完全にぶら下がることができた。そのまま処女の池へトラバースする。高度感たっぷりのチロリアンブリッジである。
無事に渡り切った後、ずっと待機してくれていた臼倉が逆方向(処女の池から獣骨ホール)へのトラバースに挑戦した。ところが、傾斜があるため上手く進むことができず断念。林田が交代して試してみたところ、かなり腕力を使う形でなら進むことができることがわかった。処女の池から獣骨ホールへ向かう場合は、SRTで一度降りて登るほうが効率的だ。
その後、川崎、濱田、飯島が獣骨ホールから処女の池へのトラバースを無事に渡り切ることができた。
最後に処女の池側の支点をスリングの編み込みで固定分散化し、瀧谷洞を後にした。
このチロリアンブリッジは残置してあるが、次回使用する際にはロープの痛みが無いかどうかの確認と、多少の緩みがあることから獣骨ホール側の支点の再構築が必要である。5倍力システムに変更して引っ張った方が良さそうだ。
帰路もそこまで暑くなく、快適な下山となった。
今回は瀧谷洞に新しい名所を作ることができ、とても満足のいく活動であった。
(林田 記)
注意!
豆焼沢・瀧谷洞は、一般の方の入洞が禁止されています。