新洞探索

2021年4月10日(土)PCCでは某所の新洞探索を行った。参加者は、小竹(L)、芦田(SL)、濱田、林田、伊野尾、臼倉の6名。

今回の活動場所は関係者以外の立入が制限されている採石場跡地のため、地元役場の承諾を得て探索を行った。立入禁止のエリアであるため、ここには場所を記さない。

小竹が別件で地元役場了承のもとこの地を訪れた際に、石灰岩の地質が目につき散策をしていたところ、怪しい穴を2か所発見したため調査活動を発案した経緯である。

第一の穴は、洞口は横穴。
頭から入っていくとすぐにつらら石と石筍を発見した。穴が単なる岩の割れ目ではなく鍾乳洞であることが分かり期待が高まる。

さらに先へ進むと縦穴になっていた。スペースは左右に分かれており、右手側は下方向へ10mほどの縦穴、左手側は狭い縦長の隙間が奥へと続いている。

まずは右手側の縦穴をSRTで降りる。が、石灰岩の壁がまるでチョークのように脆く、ちょっとした出っ張りに足をかけただけで崩れて落ちる。手をかけただけでも崩れて落ちる。ロープが引っかかっただけでも崩れて落ちる。仕方がないのでバラバラと岩を落としながら降りて行った。

降りた先はちょっとしたホールになっており、独特な模様のカーテンやフローストーンが確認できた。ゴツゴツした岩の表面だけ二次生成物に覆われて岩どうしが癒着している不思議な箇所もあった。採石場が稼働していた時代に発破の振動などで崩れた岩が、数十年の間に二次生成物に覆われたのだろうか。

ホールの最下部に小さな隙間が確認できたので岩をどけて奥を照らすと、さらに空間が続いている様子であった。しかし、人間が通れるサイズの隙間ではない。ということで、残念ながら空間としてはここで行き止まりであった。

少し戻って、今度は左手側の狭い隙間を進む。抜けた先は直径1mほど、高さ10mほどの縦穴の底であった。人の入った気配がなく、非常にきれいなデンドライト状の洞窟サンゴが壁面に確認できた。この空間も先はなく、第一の穴はこれで終わりとなった。

第二の穴は、洞口が非常に狭く下方に向いた形。

体はギリギリ通りそうなのでSRTを装備して足から入ってみたが、身動きが取れなくなり断念。何とか這い出てから、洞口を少しディギングして再挑戦した。今度は頭までは入れたが、ヘルメットが引っ掛かって頭が通らない。上から押し込んでもらって何とか通過した。

降りた先は小さな空間で、なんと腰より高い大きな石筍を発見。汚れも黄ばみもなく、白く透き通った色の石筍であった。周囲を見回すと、そこそこの数の鍾乳石も確認できた。

その空間から先はなく行き止まりであったが、きれいな石に囲まれたステキ空間であった。

なお、探索の最中に今回の計画書を見た地元在住のPCCメンバーが様子を見に訪ねてきてくれた。その方によると、第一の穴は既に知られていたものであったが、左手奥の空間は未踏であった様子。第二の穴は知られておらず、洞口が狭かったことからも新洞と思われる。

その後、周辺エリアの探索も行ったが新しい洞口は見いだせず、今回の活動は終了とした。 

(小竹 記)