日本洞窟学会第29回大会に参加

2003年8月23日(土)~25日(月)に北九州で行われた日本洞窟学会第29回大会に参加してきました。PCCからの参加は私と小野さんです。
会場は、北九州のスペースワールド隣に最近できた、自然史と歴史を扱う総合博物館「北九州市立自然史・歴史博物館──いのちのたび博物館」です。夏休み中ということもあり、家族連れが多かったです。
展示は非常に充実していて、洞窟を復元した所では、壁面にスカラップがきれいに再現されていたり、竪に伸びる狭洞をチムニーで登るケイバー人形がいたりと、相当楽しめます。
また、自然コーナーも充実し、ほ乳類のはく製から、きれいな貝殻、そして森林や海の中を復元していたりと、目で見て理解が容易に出来易く配慮されています。骨も、ほ乳類からコウモリまで、たくさんあります。コウモリの骨は、なかなか、骨になったらこうなると、と驚かされます。この博物館は、相当楽しめます!

 講演は、土曜日が普及講演、日曜日が研究発表でした。普及講演は、まだまだペーペーのケイバーの私にとって、理解し易く助かりました。研究発表では、最近の洞窟研究の一端を知る上で、とても役に立ちました。立命館探検部の探検報告がとくに楽しく、映像を駆使して、分かり易く説明されていました。
研究発表の後に、洞窟の定義に関する勉強会がありました。分野の違いによって、洞窟がどのような研究対象となりうるのか、良く分かりました。
月曜日は、吉村先生案内の地球化学巡検です。平尾台の土壌中には、大気中の何十倍もの二酸化炭素があるというのを、実地に測定しました。また、平尾台の石灰岩はマグマによる変成を受けているため、方解石が目に見えるくらいに大きくなっていますが、予想以上でした。また、表面を薄く割ると、緑色をした部分がありますが、それは微生物ということでした。カルスト地形形成に微生物が関与しているそうです。

 小野さんが談笑している写真の手前に、石灰岩の割れ目に侵入したマグマが固結してできた、岩脈、があります。白い石灰岩と対照的です。
巡検が終わってから、名古屋によって、JETで酒を飲んでから、火曜日の昼過ぎにつくばに帰ってきました。来年も平尾台だそうです。
(柏木 記)