石垣島・西表島調査ケイビング

 2001年9月15日(土)~19日(水)に沖縄県石垣市(石垣島)と沖縄県八重山郡竹富町(西表島)に遠征しました。参加者は小山、大喜多、生亀氏の計3人でした。
 遠征1日目は、羽田空港を出発し、那覇空港で乗換え、石垣空港に着いたときには、すでに夕方でした。天候は台風の影響で雨。とりあえず、ホテルでしばしの休憩を取った後、日本最南端の観光洞である竜宮城鍾乳洞(現・石垣島鍾乳洞)へ行くことにしました。この観光洞は総延長3200mのマリヤイザーを近年(1994年)に観光化して、450mを見学できるようにしたものらしい。
 入洞してみると、いきなり鍾乳石の発達のよいホールがあり、非常に綺麗でした。竜宮城鍾乳洞の石筍は、日本一その数が多く、約50万本あると説明があり納得しました。また、竜宮と書かれた電飾があったり、泡盛の瓶がおいてあったりと、観光オブジェクトも充実していました。たいてい観光オブジェクトは洞窟としての見所の少ない観光洞にありがちなのですが、この鍾乳洞は洞窟としても非常に見所のあり良かったです。
 さらに出洞後、振り返ると、見事な竜宮城の建物があったり、帰り道にハブやヤシガニが展示されていたり、といろいろ楽しませてくれました。観光できる450mとそれほど長くはありませんが、見所がたくさんあり、なかなか楽しめるお勧めの観光洞だと思いました。
 遠征2日目は、石垣島から西表島へ移動する予定でしたが、台風の影響で船が出ないため、石垣島で活動することにしました。レンタカーを借りて、まず福仏具洞(フクブグイザー)第2に行くことにしました。
 福仏具洞第2の洞口はドリーネ状になっており、底には礼拝所が設けられていました。参拝者のために降りる道がつけられており、ドリーネの洞床も地ならしされていました。そこから、まず主洞と思われる右手の通路を水流を遡って探険してみることにしました。しばらく水流を遡ると水深が膝上くらいのプールになっている場所にたどり着きました。ここより先は濡れずには行くことはできず、水の中を歩いて進みました。そして、しばらく進むと、水流は狭い隙間から流れ出ており、終了していた。戻りながら支洞捜してみましたが、特に目立って長く続いているものはありませんでした。
 礼拝所まで戻り、今度は左手へ続く通路を探険することにしました。狭い場所がいくつかあり、屈みながら進んで行くと、コウモリが多数いる小ホールにたどり着きました。小ホールの先には下層に降りて匍匐で進む通路が、さらに奥へと続いていました。台風が近づいており、大雨で水没する危険性があるかもしれないため、匍匐ルートの探険は止め、礼拝所まで引き返しました。あと礼拝所の右手上層の支洞を詰めてみましたが、すぐに行き止まりになっていました。
 出洞後、続いて栄洞とカブロマターについてのヒアリングを集落で行なってみましたが、残念なことに有力な情報は得られませんでした。
 遠征3日目は、台風も通過して天候もなんとか落ち着いたため、朝一番の船に乗りこみ、石垣島から西表島へ移動しました。西表島に着き、レンタカーを借り、まず沖縄県最大の浦内川のジャングルクルーズへ出かけました。浦内川河口より動力船に乗り、川を遡りました。川岸にはマンブローブなど、亜熱帯ジャングルが広がっていました。しばらく船に乗っていると、川辺に洞口を発見しました。とりあえず、「浦内川の穴」と命名しました。
 船で進めるのは河口より8キロの場所にある軍艦岩までで、それより上流は徒歩で遡ることになります。船を下りて40分ほどジャングルの中の山道を歩くと、日本の滝百選の1つ「マリュウドの滝」に到着しました。マリュウドの滝は水量も豊富で見ごたえがありました。滝近辺ではハブに遭遇するハプニングも起きました。マリュウドの滝から、さらに5分ほど遡ると、今度は「カンビレーの滝」がありました。こちらの滝もマリュウドの滝に劣らず巨大で見所のある滝でした。
 午後からは、洞窟探索&ヒヤリングと観光をしながら車で南下し、島内を回りました。そのヒヤリングにより、いくつかの成果があがりました。一通り道路の最南端、南風見田まで行った後、戻りながらヒヤリングによって得た情報をもとに洞窟探索を行いました。するとジャングルの中で、次々と3つの洞口を確認できました。とりあえず「西表島の穴第一洞」、「第二洞」、「第三洞」と命名しました。西表島の穴第一洞は流入口、西表島の穴第二洞は流出口、西表島の穴第三洞は竪穴状の洞口でした。
 まず、最初に西表島の穴第二洞の探険を始めました。しかし、残念なことに、超狭洞で5mも入れずに終ってしまいました。次に西表島の穴第一洞の探険を開始しました。洞内はほとんど人が入った形跡もなく、鍾乳石の発達もよく、なかなか良さそうな穴でした。100mほど水流沿いを進んで行くと2m程度の小滝が現れ、滝壷はプールとなっていました。さらに50m程度進んで行くと狭洞となり、3m程度先で水没しているようでした。
 その水没部分の左上に死角となっている部分があり、先が続いていないか確認するために水没部の狭洞にアタックを試みました。すると、その先には巨大なホールが広がっていました。人が入った形跡はなく、新洞であると思われます。さらに新洞部分を150m程進むと、だんだん天井が低くなり、幅5m、高さ0.5m程度の通路となりました。
 しかし、先はまだまだ永遠と続いているようでした。海まで続いている可能性が高かそうでしたが、台風の接近による出水、水没の危険や時間の関係などもあり、残念ながら最奥を確認せずに、ここで引き返すこととしました。もしかしたら探険次第では西表島最大の洞窟になるかもしれないと思いました。
 出洞後、宿の夕食の時間が迫っていたため、西表島の穴第三洞の探険は中止にして急いで戻りました。
(小山 記)