中頓別鍾乳洞群探勝

2001年7月3日(火)、北海道枝幸郡中頓別町にある中頓別鍾乳洞群を探勝した。参加者は芦田(宏)、芦田(理)の2名。
 この夏に北海道の北部、礼文島、利尻島に行く機会があったので、もう少し足をのばして中頓別鍾乳洞まで出かけてきた。公共交通機関だけでは、とてもたどり着けないので、レンタカーを借りることになった。北海道を車で初めて走ったが、スケールが本州とは違うと実感させられた。地図上では近いように思えても実際に車で走ると、ぜんぜん着かないのである。おかげで思った以上に時間がかかり、帰りの飛行機に間に合わないのではという心配までする始末だった。
 じつは中頓別鍾乳洞、偶然にも今年の2月に行った長崎県西彼杵郡西海町の七ツ釜鍾乳洞群と同じく、複数の洞穴からなる鍾乳洞群である。主なものとして、第一洞、第三洞、第四洞などがあり、この他に小さな洞穴は数多くあるようである。それらの中で最も大きい洞穴が第一洞で、探勝ルートが整った観光洞でもある。ただし、観光洞といっても町営のため、入洞は無料である。
 駐車場で車を止め、順路に従って遊歩道を右手の沢沿いに進んでいくと途中で左に曲がり、若干の登りとなる。その先に観光洞として公開されている第一洞の洞口が開口している。
 洞内は下層と上層に分かれており、探勝ルートは下層のみである。洞内には若干の水流もあり、途中にある登り斜洞付近には、ちょっとした洞内滝も形成されていて、その滝壺が小さいな池となっている。残念ながら二次生成物はそれほど豊富ではなかったが、洞壁をよく観察すると貝殻の化石をはっきりと確認することができた。
 第一洞を出て、洞口前から山の上に登る遊歩道を進むと小ドリーネや第三洞、第四洞の洞口を巡ることができる。どちらも普通の服装で入洞すると汚れてしまうので、着替えないと奥へ進むのは困難である。一応、見学は不可とのことなので入洞するためには中頓別町との渉外が必要だと思われる。
 その後、遊歩道を少し戻り、軍艦岩という石灰岩の巨岩を経由する遊歩道を通り、駐車場まで戻る。案内図によると、遊歩道からはずれた場所にもドリーネなどがあるようである。また、この付近の実際の地形から判断しても、まだ未発見の洞穴がありそうな感じである。飛行機の搭乗時間の関係で、時間を割いて詳しく見て回ることができなかったのは非常に残念である。
(芦田 記)