PCCでは、瀧谷洞研究のための洞内3D測量、ルート整備、ルート確認を目的として2024年10月12日(土)〜13日(日)埼玉県にある 「瀧谷洞」にて、ケイビングを行った。
メンバーは、L臼倉、SL白石、小竹の3名。
だいぶ涼しくなり、アプローチはとても快適だった。これ以降の季節は落ち葉によりトレイルが埋もれ歩きづらくなるだろう。滝の高巻きを超えた箇所に設置したトラバースロープは無くなってしまっていた。
12日15時ごろABCに到着、すべての残置物を写真に収めた。今後の活動の際は残置物をできる限り荷下ろしし、ABCの清掃活動を進める予定である。
16時すぎに第一洞口から入洞。17時下のエンジェルホールに到着。順にSRTで登り始める。以前は上部にローププロテクターが複数あり登りに時間がかかっていたが、以前のルート整備によりローププロテクターが不要となり、いまではかなり登りやすくなった。
下のエンジェルホールの上部左手の残地ロープを使って一段上に上がり、大斜洞を目指す。自分は2年ぶりの大斜洞探検だが「あれ、こんな狭いところがあったっけ」と記憶をたどりながら進む。
今回の活動の目的である「第二スカイライン」は瀧谷洞の初期開拓時に数名が訪れたのち、20年近く人が入らなかった未測量のエリアである。今回のメンバーは第二スカイラインのアプローチを知る者はいない。芦田会長や、濱田さんから「入り口は大斜洞の手前」との重要な手がかりをもとに大斜洞付近を観察してみる。
臼倉が大斜洞手前左手に一段上がれそうな箇所を発見!一度行ってみるか、ととりあえず空身で進んでみる。一段あがると空間が広がり、右手には大斜洞を上から見下ろせる場所があった!下にいるメンバーもしっかり見えた。身を乗り出しすぎると大斜洞まで5メートルほど落ちるので注意。左斜め上に進めそうだったので後続メンバーを呼んで先に進む。
左斜め上に回り込んだ地点にさらに上へ進めそうな箇所を発見!ちなみにここでカマドウマも発見。洞口付近や洞口からほど遠くないエリアでよく見かけるカマドウマ。こんなとこまでようおこし。
上部に行くには結構せまい箇所をフリークライミングで超える必要あり。
※後にミーティングで分かったのだが、ここから先は未踏の新支洞である事が判明した!
トップで登ってロープをセットし、後続にはSRTでのぼってもらった。のぼった先の空間は白くてとても美しかった!!!左手には真っ白で立派な石柱のオブジェがあった。一部、細い石柱が折れていたのが残念。
※真っ白な二次生成物が美しい新支洞は、第二スカイラインを通って至る場所なので、芦田会長より、白い天界の意味を込め「ホワイトヘブンズ」と素敵な名前を付けてもらった。
右手には登ってきた方面に一段上がれそうな箇所があったので進むと、こちらも白くて美しいトンネルのような空間で、それを抜けるとまた広い空間に出た。右手には狭洞があり、ハーネスなどを外して進むとさらに10メートルほど水平に続いており、狭洞から2メートル付近、最奥付近にそれぞれ下降できそうな箇所があった。
水平に続く空間としては、ここが最奥なのでここから小竹による3D測量開始。白石、臼倉は測量の邪魔にならないように退避する。
最奥部の測量の次は、狭洞の手前の降りられそうな箇所にも降りてもらい測量をしてもらった。一方で狭洞のすぐ先の下降できそうな箇所にロープをはって降りてみた。まず一段5メートルくらいでテラスになっていた。たぶん小竹が測量で降りている層と同じ位だと思う。さらに15メートルほど下降するともう一つテラス。そこからさらに5メートルくらい降りられそうな底(っぽいもの)が見えたが、一人でその先に進むのは怖かったため引き返した。臼倉からは自分がみたエリアは大斜洞ではないか?と聞かれたが、大斜洞ほど広くなかった気もする。自分がみた「底っぽい空間」はどこだったのだろうか。。
上に登り返して臼倉と合流すると、第二スカイラインの測量はほとんど終えられていた。この後もiPhoneの充電の持つ限り測量をしながら進むため、小竹を先頭にして第二スカイラインを後にした。
22時、大斜洞手前地点まで戻り、軽食を取った。24時、大聖堂まで戻ってきた。なんと第二スカイライン最奥部から大聖堂まで3D測量が完了した!ここまで来るのにチムニーの箇所やSRT下降などが複数あったが、片手でカメラを構えながら測量してくれた小竹氏に大感謝である!!!今回の測量により第一洞口から第二スカイラインが3D測量でつながった。結合後の測量結果が本当に楽しみでならない。
午前1時に出洞、2時すぎに河原に到着しそれぞれ支度をして就寝。今年は温暖なためか10月半ばでも河原泊は快適だった。ダウンがなくても、そこまで寒くなかった。
~~活動後~~
測量の際は、データサイズ超過による破損を防止するために、細切れに測量しているとのこと。今回の測量データは44個と膨大で、これらを一つずつ結合していく作業が発生する。小竹氏がデータ結合の作業をオンラインで公開してくれた。データの結合は地味でとても根気のいる作業だった。5時間に及ぶ作業の末、データ結合が終了し、測量データが完成した。小竹氏に改めて感謝。
(白石 記)
注意!
瀧谷洞は、一般の方の入洞が禁止されています。