宮ヶ谷戸の穴第二洞探検ケイビング/北秋川洞窟探索

 2000年11月12日(日)。東京都西多摩郡檜原村の宮ヶ谷戸の穴第二洞探検ケイビング及び北秋川周辺で第3次洞窟探索を行う。 参加者は小野、小山の2名。
 五日市駅前に9:00の集合だったが、1名が予定時間を過ぎても来ないため、電話で確認したところ、前日バイクによる事故のため負傷していることが判明。たしか前回の北秋川探索の時も他の者だが、同じくバイクによる事故のため参加できず……だった。とりあえず9:30過ぎに五日市駅前を出発。一旦、払沢(ふっさわ)の滝の駐車場ヘ行き、かっちょいい小山車(車種名は知らない)を置いて小野車に同乗し、宮ヶ谷戸の穴へ向かう。
 北秋川の水の流れが以前より多く、濡れずに川を渡る事は出来そうにもなかったので、対岸まで車で行き、そこに車を駐車した。今回は前の洞窟探索で発見した宮ヶ谷戸の穴第二洞最奥部のディギング作業を行う予定だった。
 着替えを始めていると付近に住んでいると思われる人(A)が通りかかったので、穴の事について話を伺うと近くに竪穴があるという。10m程の高さがあり、昔、子供がロープを使って入ったところ、そこで死体が見つかったとのこと。場所を聞いたが、あまり詳しくはわからず、また、本人も行った事が無いという。「子供がロープ1で10mも登り降りできるかよ?」と疑いつつも後で行く事に決定。
 とりあえずは、宮ヶ谷戸の穴第二洞のディギング作業を片づける為、崖を下る。その時、小野は棘のある木を掴んでしまい、棘を抜くのにかなりてこずり、早くも戦意喪失する。洞内では小山がディギングを行ったが、ドロだらけで生暖かく、虫が沢山おり、こちらも意気消沈。小野は、この間手もちぶさだったため、あまり意味も無く入口付近のディギィングを行っていたところ、獣骨を発見。下顎の骨などが出てきたが、知識不足のため何の骨だかわかるはずも無く、ひとまとめにしてそのままにしておいた。
 小山がディギングした先は、すぐに行けそうもないほど、小さくあちこちに枝分かれしており、ミニちょうちん穴といった感じだった。サメの歯のような鍾乳石や、石柱、石筍などの二次生成物もあったが、すでにほとんど成長は止まっているものと思われる。
 出洞後一旦着替え、昼食をとり、竪穴のあると思われる場所へ移動する。付近は石灰岩のある場所が地質図にあるよりも広範囲に広がっており、場所をある程度絞り込まないと見つけられそうにもなかったため、たまたま、そばにいたあやしい地元の人?(B)に場所をたずねてみた。
「この辺に穴があるって聞いたんですけれども……」
「鍾乳洞のことか? なんで、そんな事知っているんだ? もう入れないぞ!」
「えっ!? なんでですか?」
「もう埋めちまった」
「本当ですか?」
「……と思う」
 と曖昧な答え。そして、話の途中で車のエンジンをかけ、なぜか逃げる様にして行ってしまった。おそらく竪穴に新しい死体を埋めてきたため、若しくは石器を埋めてきた○×研究所の藤○○○氏であったと我々は考えています(一応冗談)。
 その時の話だと、そこから真っ直ぐに行って300m程の所にあり、すぐにわかるはずだとの事だったので、小山はわざわざ竪穴装備一式を担いで向かってしまった。しかし、言われた場所には、そこそこの石灰岩はあるものの穴らしき物は全く見つからず、2人ともバテてしまった。
 結局1時間半程探し回った後、「もう今日は諦めて他の人に聞いてみよう」という事になり付近にある峠の茶屋ヘ行った。茶屋の主人(C)に伺ったところ、竪穴について知っており、大体の場所は特定する事ができた。
 先程の人(B)の言っていた場所とは、かなり離れおり、山の上からよりも下からの方が近いらしい。その他周りには柵がある、深さは7m程、わらを燃やして投げ込んだところ、底に横穴らしいものがあった等の話を聞く事が出来た。今回はこの話を聞いたところで諦めて、次回のお楽しみにする事にした。
 帰り道、来る途中にあった花の咲いていた木が本当に桜なのかもめていたが、木の枝には「桜の枝を折らないで下さい」の札が掛かっており、やっぱり馬鹿桜だったという事で落着。紅葉と花見を一緒に見ることができた、ちょっとお徳な1日でした。
(小野 記)