美山町プロジェクト参加

 2000年3月25日(土)~26日(日)、雪。岐阜県山県郡美山町で行われた美山町プロジェクト(代表/大竹真氏)に参加しました。参加者はPCCから山西の1名、美山町プロジェクトから大竹氏、後藤氏の2名、計3名。
 今回は天気が悪くて、土日とも雪でした。この時期の雪は珍しいそうです。雪が降ることを想定しておらず、軽装だったため、かなり苦労しましたが、新洞と思われる竪穴を3本発見するという成果も上がり有意義な活動でした。
 今回の活動は、昨年の秋から再開された美山町プロジェクトに参加したもので、調査地域は美山町のマイコミの竪穴周辺のドリーネです。以前、夏場に調査した時は洞口が確認できなかったそうですが、雪のある時期に調べると湯気などから新たな洞口が確認できるのではないかという期待から、残雪期に調査することになりました。
 残雪期と言っても、今回の調査では常時膝までのラッセル。吹き溜まりでは腰まで埋まる雪の多さで、けっこう大変でした。ただ、なだらかな地形のため、軽装で歩くだけならそれほど苦労しません。
 主目的であったドリーネでは残念ながら洞口は確認できませんでしたが、雪が解けた小さな穴は確認できました。温かい空気がわずかですが上がっているものと思われます。
 今回の活動で発見した新洞と思われる洞窟はドリーネの位置確認のために登った標高870mほどの峰山という山の斜面にありました。南面から適当に登ったところ、中腹の斜面に3か所ほど洞口があり、そのうちの2つは6mほどで終わっていましたが、一番標高の高い位置にあった洞窟は湯気が上がっており、かなりの空間の存在が予想されました。残念ながら当日はつなぎを着ておらず、洞内も狭かったため、洞口から5m程度降りたところで引き返してしまいましたが、次回の活動では、ここをメインに調査する予定です。
 なお、今回発見した竪穴を「新洞と思われる」としているのは、それが新洞かどうか未確認だからです。峰山南面には、洞窟が何個か知られているのですが、今回の参加メンバーは誰も知らず、確認できなかったからです。
 ということで、美山町では新洞発見の可能性がかなり有望と思われます。今回の活動では悪天候とメンバー不足で、面での探査を行うことができませんでした。ですが、ただ単純に山を昇り降りしただけで、これだけの成果が上がりました。台地状の地形で、沢筋などにしぼって探査することができないので、雪のある時期の探査は非常に有効です。竪穴の洞口は完全に雪が融けていますから、遠くからすぐに確認することができます。美山町では、これからは積雪期に洞口調査をすることになりそうです。
(山西 記)