大ガマタ沢・ケイ谷洞第4次探検ケイビング

 1986年10月4日(土)~5日(日)。晴れ。埼玉県秩父郡大滝村(現秩父市)中津川大ガマタ沢源流の大ガマタ沢・ケイ谷洞で第4次探検ケイビングを行う。参加者はPCCから芦田、白幡、深田の3名、東京農業大学探検部から呉俊一郎氏、他に3名の計7名。
 今回の探検は、前回の探検で新たに発見した『鍾乳石ホール』より奥の主洞と、その終着地点の地底湖──『竜の泉』の調査が主な目的であった。そのために白幡はウェットスーツを着こんで探検に参加した。
 まず『魔のクレバス』を過ぎて少し行った所で下に向かう支洞を発見した。そこを降りてみると、上の通路と平行に大規模なボア・パッセイジ状の洞が続いている。奥に向かって進むと、しばらくして崩落の隙間で上部の主洞に連結する。
 一方、洞口方向に続く方は少しずつ下っていき、途中で二手に分かれる。左側は十数m進むと上に向かっていき、細い迷路状のボア・パッセイジとなり、洞壁が泥におおわれて入洞困難になる。右側のクラック状の通路は5m程行くと、右の壁にポッカリと直径1mぐらいの窓が開いている。そこをのぞくと、こちらの通路と平行にクラックがある。下に降りていくとだんだん狭くなり、5mぐらい下に水面が見えるあたりで降りられなくなる。最初のクラック状の通路は、その窓がある所から十数mで、胸幅より狭くなって入洞不能になる。
『竜の泉』はオーバーハングした崖の10m下にあるが、今回の調査で迂回ルートが見つかり、湖畔ギリギリまで近づけるようになった。さっそく白幡がウエットスーツ姿で地底湖の中に潜ってみる。まず、行き先は完全に水没していることが判明した。水深は相当あり、背が立たないぐらいである。水の流れが弱く、泳いでいると、あっという間に濁ってしまう。しかし、どちらにしても、これより先はケイブダイビングしなければ、奥に進むことはできない。
(芦田 記)