日原洞窟探索

1984年5月27日(日)。東京都西多摩郡奥多摩町日原で第3次洞窟探索を行う。参加者は芦田、深田の2名。
 先週に続き、日原川上流を探索。まずは三又洞対岸の八丁山にあると言われる洞窟を探索する。結局、林道から2~3分斜面を登ったところで大小2つの洞窟を確認した。10mと3mの横穴で、二次生成物は洞窟珊瑚が多少見られた。
 それから前回に続き、芦田が左岸側の埋没洞口でディギング作業を行う。2時間かけて3m掘るが、やはり成果なし。その間に深田は、また急斜面の途中で小規模な横穴を発見していた。以下、深田の報告。
「急斜面を冷や冷やしながら平行移動していると、目の前に小さな洞口が2つ見えました。そこに首を突っ込んでみると、思わず『やった!』と叫びました。なんと左右に広がったホールに大きな二次生成物がずらりと並んでいたんです」
 調査の結果、洞窟は約25mの横穴で、2m前後の石柱群、数十本の石筍群、数百本のつらら石、カーテンそのほかの鍾乳石群と、二次生成物の密度が非常に高い。ただ、残念なことに何者かによって、かなりの鍾乳石が破壊されていた。
 この洞窟を『八方美人の穴』と命名した。なお、今後も調査を続ける必要があると思われる。そして、今回の洞窟探索により、日原の百穴は計16洞になった。
( 芦田 記)