倉沢洞窟探索/倉沢の鹿穴調査ケイビング

1984年4月29日(日)。東京都西多摩郡奥多摩町倉沢で洞窟探索を行う。参加者は芦田、深田の2名。
 午前中は倉沢鍾乳洞の下流左岸の沢筋を探索するが、とくに成果はなし。午後からは対岸に移動し、御神仏の穴の下流にあたる沢を探索する。前回の探索では石灰岩の転石が多いことが報告され、有望視されていた。実際、上流に多くの支流と石灰岩の露岩を確認したが、完全探索はできなかった。次回に期待したい。
 そのあと、東へ平行移動して標高1200m付近にある鹿の穴を再調査する。東西方向の割れ目系に発達した約15mの縦穴が落石により上下に二分されている。上層部はチムニー状で垂直。下層部は3~4段構造でやや広いが、ラダーなどは必要としない。二次生成物は洞窟珊瑚のほか、上部の奥に3mの黄金柱のようなフローストーンが見られる。また、最深部からは洞名の由来のように獣骨も見つかり、大いに興味深い。もう少し調査を行いたかったが、例によって時間切れ。
 今回は登りに2時間半、下りに30分という強行軍であったが、次回にはルートを確保し、沢の支流の徹底調査と鹿の穴最深部の狭洞突破を課題にしたいと思う。
( 深田 記)