2001年3月24日(土)、晴れ。埼玉県秩父郡小鹿野町二子山で天風洞練習ケイビングを行う。また、埼玉県秩父郡吉田町(現秩父市)で石間川支流滝ノ沢第3次洞窟探索及び滝ノ沢の壁穴第1次探検ケイビング、陰陽洞第2次練習ケイビングを行う。参加者はPCCより芦田、内山、大喜多、小山の4名、NTC洞窟探険隊より藤井氏の計5名。
まず、午前中は小鹿野町の二子山にある天風洞に行くことにした。国道299号線経由し、志賀坂峠手前から二子山北面に回り込む林道に入る。若干、積雪があったが、なんとか二子山東岳北面にある天風洞の直下まで車で行くことができた。車を林道脇に止めて着替えをすますと、さっそく雪の斜面を天風洞に向かって登り始めた。
天風洞の洞口は、この時期、林道から視認することができる。見上げるような巨大な石灰岩壁の基部に開口している。そこまで林道から急な斜面を約100mほど登れば到着である。
天風洞は下から上に延びる竪穴で、その高さは30m以上ある。第3洞口がオーバーハング気味の岩壁半ばで下に向かって開口しており、その上部での行動は大きな危険をともなう。二次生成物はほとんどないが、人がまったく入洞しないないため、洞壁は白くてきれいである。
天風洞での練習ケイビングが終わった後、午後からは吉田町の滝ノ沢にある壁穴のアタックを行う。これらの壁穴は沢の河床面から20mほどの岩壁に開口していて、前々回の滝ノ沢洞窟探索で確認したものである。今回は岩壁ボルトを打って、アタックする予定だった。
人数が多かったので2班に分け、1班が壁穴のアタックを、もう1班が付近での洞窟探索を行うことにした。探索班の方は上流にある滝ノ沢のディギング穴との中間付近の右岸で5mほどの横穴を発見し、「滝ノ沢右岸の穴第三洞」と命名した。しかし、残念ながら、それ以上の成果はあげられなかった。一方、壁穴班の方も成果は今ひとつで、滝の真上にあった一番大きい洞口でも1mしかなかった。また、滝ノ沢の洞門も深さ4mの竪穴状の空洞だった。
今回の洞窟探索は事前の予想に反し、不本意な結果に終わったが、最後の最後に陰陽洞に入っているとき、林道工事の現場監督(?)の人がやってきて、2つの有望な洞穴情報を教えてくれた。なお、その情報をくれた人が陰陽洞の発見し、命名した人であることも判明した。
1つは藤倉の地獄穴付近にあるという深さ30mの竪穴についてである。この地獄穴の近くの竪穴(とりあえず「極楽穴」と命名)は去年の7月に行った長久保洞窟探索において、花坂地区で案内されて見つからなかった竪穴と同一の可能性もある。ということで、複数の情報ソースがあることから、地獄穴付近に何らかの竪穴が存在することは確実と思われる。もう1つは二子山東岳北面にあるという竪穴についてである。情報提供者が子供の頃に入洞したことがあるとのことである。どちらとも近日中には調査におもむきたいものである。
(芦田 記)