1984年12月2日(日)。晴れ。埼玉県秩父郡大滝村大血川の向かい鍾乳洞で第1次探検ケイビングを行う。参加者は芦田、廣瀬、白幡、深田の4名。
この日は、読売新聞社の取材陣(3名)を同行して、向かい谷鍾乳洞に初挑戦。この洞窟は資料によれば、下方に46m(32m、8m、6m)、上方に20m。全長約60m以上(関東一?)の竪穴型鍾乳洞。PCCとしては大久保の風穴、玉の内鍾乳洞に続く、本格的竪穴探検第3弾である。
早朝、祭りでにぎわう西武秩父駅前に集合したPCCは、読売新聞社の取材車に同乗して、現地へ出発した。約30分後に向かい谷入口に到着。そこから山道を歩くこと1時間。ついにPCCは幻の『向かい谷鍾乳洞』にたどり着いた。
いよいよ入洞開始。まず、30mのラダーで深田会員が降下。そして、5分後、トランシーバーによる報告。「一段目の洞床まで、ラダー届かず。もう1本連結します」さらに5分後、「到着!」これを合図に、廣瀬、芦田、最後に白幡の順に降下。(取材陣の人は降下を断念)一段目の竪穴は、深さ32mでやや傾斜があるため、ほとんど洞壁に接した状憑で降下できるが、ラダーセッティングなどに問題があり、実質40m近い装備が必要。二段目の竪穴は、深さ8mのクレバス状。ここはアブミを連結して降下。この辺りから、つらら石、石柱など二次生成物が認められる。そして、三段目の竪穴は探さ6mで、小さな滝があり、チムニー降下。ついに最探部に至る。その先は滝壺からの水流が、細い割れ目に消えている。狭洞突破できれば、さらに続くかもしれない。
以上で向かい谷新洞の探検ケイビングは終了。この後、大血川新洞に移動して、取材に花を添えた。ともあれ、取材陣の皆さん(とくにカメラマンの方)お疲れさまでした。最後に廣瀬の一言。「今日は本当に疲れました。やはりラダー昇降の練習が必要ですね」。
( 深田 記)