1983年4月10日(日)、東京都西多摩郡奥多摩町倉沢の倉沢鍾乳洞で第9次練習ケイビングを行なう。参加者は芦田、廣瀬、甚平の3名。
今回は参加人数が少ないので、倉沢鍾乳洞内ではひょうたん池付近での支洞探索にとどまった。前回の倉沢鍾乳洞第8次探検ケイビングで水が涸れていたひょうたん池は再び水没していた。やむなく、奥へ進むことを断念した。この奥には風が吹き出している割れ目があったので、今回、入洞するつもりであったので、非常に残念であった。
また、ひょうたん池付近の支洞の1つで、洞床にあるすき間から、下層に空間があるのが確認できたが、そこへ通ずるルートを発見することができなかった。今後の課題である。
午後からは倉沢鍾乳洞を出て、洞口直下にある休息所から見える岩壁の穴に入洞を試みた。約2時間にわたる努力の末、岩壁の上方約8mにある洞口に達し、入洞することができた。洞窟自体は小規模なものであるが、流れ石、石柱などの二次生成物の状態が倉沢鍾乳洞に比べて、よかった。
支洞はほとんどなく、簡単な構造の洞窟であるが、洞口付近は開口部に向かって下り傾斜になっているので、出入りには十分に注意しなければ、転落の危険がある。なお、この岩壁の穴には倉沢鍾乳洞からも行けるという情報もあり、次の機会には、ぜひ探査してみたいと思う。
(芦田 記)