向かい谷新洞探検ケイビング

PCCでは獣骨調査およびケイビングを目的として、2026年5月17日、埼玉県大血川・向かい谷に位置する向かい谷新洞にて活動を実施した。また今回は、位置情報が不確かとなっている「大血川鍾乳洞」「向かい谷新洞」「登竜門の穴」等の位置確認およびマッピングも目的とした。

当日の参加者は今野、星宮、臼倉、松尾の4名である。前日に現地付近へ集合して車中泊を行い、当日は6時30分頃より行動を開始した。

入山後しばらくはガレ場が続き、落石や滑落に注意しながら遡行した。その後、過去の記録を参考に尾根へ登るルートから洞口の探索を開始した。

さらに進むと巨大な石灰岩壁が現れ、壁面には洞口状の窪みが確認された。この洞穴が大血川鍾乳洞である可能性が高いと判断し、位置の記録を行った。匍匐により進入可能と思われる箇所も存在したが、今回は詳細な調査は実施しなかった。また、今野がドローンを用いて周辺地形および岩壁の全景撮影を行った。

その後の探索では、ヒカリゴケが繁茂する小規模な洞穴を発見したほか、大小さまざまなクラックや岩陰を確認した。しかし、新たな洞穴の発見には至らなかった。

さらに沢沿いを遡行し、一部ではロープを使用しながら急斜面をトラバースして向かい谷新洞へ到着した。

洞内ではSRTおよびチムニー技術を用いて約20m下降した。途中には狭隘部も存在し、身体を捻りながら慎重に通過した。洞底は比較的広い空間となっており、いくつかの獣骨やカーテン状やベーコン状に発達した鍾乳石が確認された。また、多数のホラヒメグモが生息しており、目視できただけでも10個体以上を確認した。

帰路では沢沿いを下降しながら周辺の探索を継続した。洞口と思われる箇所が複数確認されたため、星宮による登攀および今野によるドローン調査を実施したが、目的としていた「登竜門の穴」を発見することはできなかった。一方で、崖上に新たな洞穴を発見し、「向かい谷左岸崖上の穴」と命名した。

今回の活動を通じて、向かい谷周辺には未調査のクラックや小規模な洞穴が数多く存在することが確認された。また、大血川鍾乳洞および向かい谷新洞の位置情報を再確認できたことは大きな成果であった。

一方、アプローチについては尾根を経由するルートよりも、沢沿いに分岐点まで遡行するルートの方が、体力的負担およびルートの明瞭さの両面から有効であると考えられた。今後も周辺地域の継続的な調査を行い、新たな洞穴の発見と位置情報の整理を進めていきたい。

(松尾 記)