2026年5月2日(土)から6日(水)までの5日間、山口県美祢市の秋吉台・寺山の穴において、日本洞窟学会洞窟救助部会主催の洞窟救助技術訓練会(GW集中訓練)が実施された。PCCからは日本洞窟学会員である林田(洞窟救助部会長)、亀田、今野の3名が参加した。
本訓練は、洞窟事故発生時における安全かつ効率的な搬送技術の習得、部会内での救助技術の体系的継承、そして地域横断的な救助ネットワークの基盤形成を目的としたものである。SRT技術を有する全国の参加者11名が秋吉台に集い、座学から要素技術、総合訓練へと段階的に積み上げる5日間のプログラムが組まれた。

初日の5月2日は集合・オリエンテーションののち、午後より座学を実施。救助概論、安全管理、搬送理論について教本を用いて学習し、5日間の訓練の土台となる基本的な考え方を全員で共有した。


5月3日からは実技に移行し、基本的リギング理論を確認したうえで、アンカー作成、ホーリングシステムおよびロワーリングシステムの構築、さらに引き上げ/降下の切替操作までを順次実習した。要救助者を吊り上げ・降下させるための仕組みを、各自が手を動かしながら丁寧に確認していく内容である。


5月4日は寺山の穴に移動し、チロリアンブリッジの作成および運用、ならびに荷重分散と安全管理について実習。垂直方向のみならず、水平方向への搬送についても理解を深めることができた。秋吉台の岩壁を活かした実地的なセッティングは、屋内訓練では得難い感覚を養う場となった。

5月5日は総合訓練として、シナリオ形式での実践的な救助訓練を実施した。SKED担架を用いた搬送を中心に、チーム運用訓練として一連の流れを通しで行い、これまでに学んだ各技術を実際の救助の文脈の中で運用する難しさを実感した。声出し、役割分担、リギングの再構築判断など、現場で求められる総合的な判断力が問われる時間となった。

最終日の5月6日は装備整理および全日程の総括ののち、解散となった。

5日間という長丁場ではあったものの、要素技術を一つひとつ積み上げたうえで総合訓練に臨む構成であったため、参加者それぞれが救助技術の全体像を体系的に学ぶことができた。秋吉台という日本有数のカルストフィールドを舞台に、全国の参加者と技術や経験を共有・議論できたことも大きな収穫である。PCCとしても、今後の活動における安全管理および万一の際の救助対応を考えるうえで、極めて有意義な訓練参加となった。

(林田 記)