PCCでは、SRT練習および3D測量を目的として、2025年3月9日(日)に静岡県富士宮市にある「婆々穴(ばんばあな)」にてケイビングを行った。3D測量は前回2024年12月1日からの継続活動である。
参加メンバー5名
L小竹、SL今野、臼倉、川崎、池野
8時半前に現地に到着。前回同様に洞口から湯気が立っていることが確認できた。
今野、臼倉、川崎が協力してリギングを行った。
今回のロープリギングは、周辺の立ち木にリギングしたロープをそのまま洞内にたらし、洞口付近の地形とロープが接触する箇所は大きなシートとローププロテクタを用いてロープ保護を行う形とした。
深さ約17mの降下に対し、60mロープの両端を別々の木々にリギングしロープ中央を穴の底につけて余らせる形で、2本のSRTロープとして使用する形をとった。

9時半ごろに今野、川崎、小竹が順次SRT降下し入洞。前回同様に洞内は暖かく洞口直下のドーム内には複数のカエルがいた。今回は今野が小さなヘビも発見した。

その後は分かれての活動を行った。小竹・川崎は溶岩流の下流方向の3Dスキャン、今野は上流方向の3Dスキャン、臼倉・池野はSRT練習を実施した。



小竹・川崎は、まずひたすら下流へ向かった。途中、ルートが左右分かれてまた合流する狭洞部で小竹が通りにくい左ルートを選択してしまい、小竹・川崎ともに苦労して突破した。後の帰り道で別ルートのほうが楽であったと気づき反省。
狭洞部を突破の後は、川崎はその場から下流奥方向へむかって3Dスキャン作業を開始し、小竹は一度下流奥まで行ってから前回3Dスキャンを中断したポイントを開始点として洞口方向へ戻りながら3Dスキャンを行う、挟み撃ち作戦を実施。2方向から3Dスキャンを行い、出会ったところで終了した。
その後、狭洞部を3Dスキャンしながら洞口方向へ戻った。今野が上流方向の3Dスキャンを終えたら3Dスキャンしながらこの場所までくる段取りとしていたが、まだ来ていない様子。
川崎は今野の様子を確認するために先に洞口へ戻り、小竹は3Dスキャンしながら洞口方向へ向かった。3Dスキャンを進めていると、川崎が洞口から戻ってきて状況報告してくれた。今野はライトの光量が足りず、洞口下流側の3Dスキャンはあきらめたとのこと。
洞口から現在地までを3Dスキャン完了すれば測量完成となるので、川崎に洞口へ戻ってもらい、再び挟みうち方式で残り部分の3Dスキャンを行った。しかし、残念ながら小竹のiPhoneストレージ容量が一杯となってしまったため、本日の作業はここまでとし洞口へ戻った。
この時点で既にに15時半ごろとなっており、SRTで登り返して出洞した。
今野は上流側の3Dスキャンをすべて完了してくれていた。上流側は洞窟の一部が上下2層になっており、面白い形をしていた。
臼倉・池野はSRT練習の為、最後に入洞。池野は3回目の縦穴になる。ロープを2本設置出来たので一緒に下降し、底までおりきらず途中から登り返し数往復の登下降を行った。
登り方の改善とハーネスの調整をし、フロッグシステムで疲れる事なくスピーディーに登れるようになったので、今野と合流し上流最奥へ向かった。下流とはまた違う構造で楽しめた。
出洞後、池野は1人でもう一往復SRT練習を行い終了した。

今回、3人で連携して3Dスキャンを実施し、モバイルバッテリーや光量の強いライトを準備していたため、600mほどの長さの範囲を3Dスキャンすることができた。これは今までの3D測量活動のなかで最も広い範囲を3Dスキャンした成果となったと思う。

未スキャン部分は感覚的に残り100~200mほどなので、次回で全体の3Dスキャンを完成させたい。
(小竹・臼倉 記)