婆々穴SRT練習&3D測量

PCCでは、SRT活動および3D測量を目的として、2024年12月1日(日)に静岡県富士宮市にある「婆々穴(ばんばあな)」にてケイビングを行いました。

参加メンバー5名
L林田、SL臼倉、今野、小竹、池野

8時半ごろに洞口付近に到着すると、地上よりも温度の高い洞内から湯気が立ち昇っているのが見えた。

早速林田と今野がリギングを開始する。まずは2本の木にロープを渡した。始めは40 mのロープを張ろうとしたものの途中で長さが足りないことに気づき、60 mロープに変更した。少し緩かったため、何人かで力を合わせて引っ張ってカラビナをかけ直し、強く張った。さらにそのロープの中ほど、洞口の真上からSRT用のロープを垂らした。

かなり手間はかかったがなんとかリギングも終え、10時半ごろにSRTで入洞を開始した。池野はこれが初めての洞窟でのSRTとなった。降りた先は大きなホールで、洞口の真下には水が溜まっており何匹か大きなカエルがいた。湯気が出ていたことから想定されていた通り、中はかなり暖かかった。

小竹と池野はここから細い道に入り、最深部を目指した。しばらく歩くと空間がかなり狭くなったため、小竹はリュックを置いて進んだ。一本道だったので迷うことはほとんどなかったものの、道のりは想定していたより遙かに長く、行き止まりが見えたと思ったら小さな穴の先にまだ空間が続いているのに気づく、ということを延々と繰り返した。途中で一度天井に大きなコウモリのコロニーを発見した。進み続けてようやく最深部を示すプレートを見つけたものの、実際には空間はまだ続いていた。さらに進んで12時半ごろ、ようやく本当の最深部にたどり着き、小竹が戻りながらの3D測量を開始した。

再びプレートの前を通り過ぎたあたりでスキャンが上手くいかなくなったため、それ以上の測量は諦めてそのまま帰ることにした。行きに見つけたコウモリのコロニーの下を再び通る。想定以上の道の長さで2人ともだいぶ疲れていたため、リュックがあるところまで戻ったらおにぎりを食べて休憩しようということになった。途中、大きなコウモリのコロニーをもう1つ見つけ、行きで見落としていたのかと驚いたがその時は特に深く考えはしなかった。進み続けて1時45分ごろ、そろそろリュックのあるところまで戻ってきたのではないかと思われたそのとき、プレートが見えた。近くでよく見てみれば、あの最深部プレートである。なんとまた奥まで戻ってきてしまっていたのだ! あの2回見たコウモリのコロニーも、おそらく同じものであった。

これ以上道を間違えることのないよう、そこからは石を置くなど目印を残しながら慎重に進んだ。どうやら、崩れた岩の隙間を抜けるところで、同じ側に出てきてしまっていたらしい。今度はその場所も正しい方向に通過した。またしばらく進んでようやくリュックのところまでたどり着き、おにぎりを食べて一休みした。洞口の近くまで来て無線が繋がると、既に12時ごろに地上に戻って待機していた臼倉たちが心配して様子を見に降りようとしていたところであった。小竹・池野は3時半ごろに洞口の下に到着し、SRTで無事に出洞した。夕陽に照らされた富士山を堪能しながら、各自帰途についた。

後から分かったことだが、数百mと聞いていた婆々穴の長さは過去の測量図によると1101 mと1 kmを超えていた。全て3D測量するにはかなりの人手と時間が必要になりそうである。

(池野 記)