カルスト・フェスティバル2000苅田に参加

 2000年8月25日(金)~27日(日)に福岡県京都郡苅田町の平尾台で開かれたケイビングフェスティバルに初めて参加しました。
 日程はプレ巡検(8/22~24))と本大会(8/25~27)があり、私は休みが取れたので本大会のみ参加しました。
 PCCからは、オフィシャルの山西さんの他、小堀、佐藤、小野、星野が参加しました。参加者は若い人が多く、各地の大学探検部やケイビングクラブのメンバで、森住さん、後藤さん、琉大の村田さん、JET近野さん、早大の小野さんなど知った顔もちらほらいました。
 私は8月25日朝一番のJALで羽田から福岡空港まで行き、そこから高速バスで小倉を経由してJRで苅田駅に11:00位に着きました。すると、苅田町のフェスティバル委員の方が待っていて、すぐにマイクロバスに案内され、第2会場で宿泊場所の戸早学園幼稚園まで送ってくれました。その幼稚園の施設、教室を学園の御厚意で、われわれに開放してくれていました。
 早速、割り当てられた教室「ゆり」に旅装をとき、身軽になって講演のある第一会場の公民館へ向かいました。
 午後からの日本洞窟学会の開会のあいさつの後、招待講演の代読として学会長の吉村先生が中国の洞窟について紹介され、次に韓国の洞窟の観光開発での自然保護の工夫、世界の洞窟写真の紹介(米国のアンさん、浦田さん通訳)があり、それぞれ聞きごたえがありました。
 夕方に、また送迎バスで幼稚園にもどり、食堂で夕食後、アンさん主催の洞窟立体写真講座を見ました。これは、1台のカメラで左右にずらして同じ場所を2回撮影し、そのスライドを2台の偏光フィルタを付けたプロジェクタで投影し、そのスクリーンを左右90°ずらした偏光メガネでみるものです。調整が微妙ですが、1度合えば素晴らしい立体感が得られ感心しました。
 26日は巡検で、浦田さんの組みを希望したのですが、満員で結局ファンケイビングとして青龍窟組みに参加しました。
 9:00集合で、リーダは九大の高尾さん、参加者はあぶくま・けいばあず・くらぶの渡辺さん、武市さん、山口大3名とPCC星野の7名で、送りのバスで途中まで行き、そこから林道を20分程歩いて洞口下広場に着きました。そこでは地元のお祭りとして、大声大会をやっていて、テレビまで来ていました。
 早速、洞口に向かい10:00位に入洞しました。青龍窟は全長2kmで主洞口は30m位あるホールで奥に神社が祭ってあります。主洞は高さ20m幅10m程で100m位で第2洞口へ抜けています。その途中右側の壁下に狭い隙間があり、そこに潜り込むと、ぜんぜん別の洞窟が広がっています。メアンダートレンチや断層、水平天井などが連続してあらわれ、変化にとんでいますが、二次生成物はほとんど見えません。リーダは浦田さんと行くと、いろいろ解説してくれるので100m行くのに1時間はかかる等と話していました。2時間程探検して、上流部のナウマン象の化石が見付かった第3洞口をめざしましたが、解りません。あきらめて引き返し始めましたが、その内に帰り道もわからなくなり、皆少しあせり始めました。
 すぐのところということで、リーダ以下荷物を洞口部に置いて、入ったため、配られた食料も飲み物も予備電池もみんな手元にありません。そんな中で、武市さんのLEDライトが眩しく光っていました。そうこうするうち、浦田さん率いる大部隊に出会い、リーダが帰り道を確認して無事洞口にもどりました。
 14;00に出洞して、遅い食事を取ったところで、何か気力がなくなり、再度入洞するという人もなく、そこの広場で装備やつなぎの泥を落とした後、林道をとぼとぼ歩いて、15:00の迎えのバスで戻りました。
 幼稚園に着くと、グラウンドでは、苅田町あげての祭りが始まり、郷土の歴史的な話とか、踊りが披露され、模擬店も出て盛り上がっていました。地元の方を中心に、洞窟学会のメンバも参加したイベントで感心しました。
 夜は、若者中心に夜中/夜明け?まで続いたようですが、小堀さんに続いて、私も早々にシュラフに入り寝てしまいました。
 27日は小野さんといくつか洞窟を回ろうと思っていたのですが、苅田町は歴史があり、古墳がいくつかあると知り、洞窟と古墳と両方回ろうと欲張って、早起きしてレンタカーを借り、幼稚園に戻りましたが小野さんが見つからず、1人でまず洞窟巡りに出発しました。
 始めに平尾台の自然観察センタに行き、そこから千仏洞、目白洞、広谷湿原入り口で駐車して、徒歩で青龍窟まで巡り、また引き返して牡鹿洞を見たところで16:00近くなり、最後に不動洞は洞口まで確認して、結局古墳を見る時間がなくなり、急いでレンタカーを返却し、JRで博多へ出て、福岡空港からJAL最終便で帰京しました。
 また、あわててケイビングスーツを教室に置き忘れてしまったのですが、事務局の方の尽力で無事手元に帰ってきました。全体にあわただしかったのですが、地元の方の親切とともにケイフェスも良いものだとの印象が残りました。次回は岩泉町とのことで、また参加したいと考えています。
(星野 記)