石舟沢鍾乳洞群第2次探検ケイビング

1994年10月22日(土)、埼玉県秩父郡大滝村(現秩父市)中津川支流石舟沢の石舟沢鍾乳洞群で第2次探検ケイビングを行う。参加者は芦田、辻、濱田、山西の4名。
 石舟沢鍾乳洞付近の沢は前回、水が流れていてわからなかったが、今回は水が流れておらず、完全な伏流になっていた。そして、前回の探検で確認した湧水口から沢の水が全部湧いていた。上流に行ってみると、石灰岩地帯でなくなると同時に沢水が復活していた。また、石舟沢鍾乳洞の洞内も水がしみこんんでいる沢の方に向かっていって終わっているので、結論から言うと、石舟沢鍾乳洞は石舟沢を横切る石灰岩体の中にある沢の伏流洞のようである。とういことは、現状より大幅に伸びる可能性はむずかしいと思う。
 今回の探検では洞口の上方の作業道わきで山西が第2洞口を発見した。幅1mくらいで、ほとんど天井高がない穴の洞床を少し掘って入洞した。しばらく葡匐前進すると、四つん這いになり、さらに立てるようになり、下に向かっているとのこと。
 さっそく全員で入洞したところ、奥にはコウモリがたくさんいるホールがあり、洞床にグアノが堆積していた。このホールを『赤龍の間』と命名した。ホールの先は縦穴となっていて、そこをフリーで下りると、石舟沢鍾乳洞の洞口ホールだった。
『白龍の滝』と命名した洞内滝の水量は石舟沢鍾乳洞の前の沢水がなくなっていたこともあって、やはり減っていた。それでも瀧谷洞の登竜門の滝よりは多い……。
 奥でいくつかの支洞をつめたが、結局、大々的に伸びる支洞はなく、ほとんどがループ洞だった。しかし、細かいループ洞やバイパス洞がたくさんあるので、きちんと測量すれば、500mくらいにはなると思われる。 
 対岸の石舟沢の水穴であるが、洞口を掘るのは結構大変そうで、ちょっと上流にある穴を掘るのが正解かもしれない。その穴は洞床を掘れば、入洞可能で、掘るのもそうむずかしくなさそうで、ケイ谷洞の洞口のように簡単に広げられそうである。奥からは水流の流れるゴーという音が聞こえている。うまくすると、奥へのルートが開くことができるかもしれない。次回の探検では、ここを掘る作業を中心に行いたいと思う。
 また、石舟沢鍾乳洞の上方に広がる石灰岩峰の基部の洞窟探索も行う必要がある。けっこう怪しい雰囲気をかもし出している。
(芦田 記)