大洞川荒沢谷洞窟探索

1987年3月29日(日)。曇り。埼玉県秩父郡大滝村(現秩父市)の大洞川支流荒沢谷で第1次洞窟探索を行う。参加者は芦田、伊藤、白幡の3名。
 今回の洞窟探索は非常に確度の高い情報に基づく行動であった。JCC2の久保鐵男氏が沢釣りに出かけた時、偶然に洞口を見つけたという情報である。久保氏の話によると、洞穴は沢沿いの石灰岩の露岩に開口しており、水流も認められたとのことだった。
 実際、現地に出かけて荒沢谷を上ってみると、車止めから40分程沢をのぼった付近の右岸に──まったく話に聞いたとおりの状況で、洞口を確認することができた。
 洞口は水穴2つ、横穴2つ、たて穴1つの計5つ。水穴2本は入洞不能で、あとの3つは入口付近で、すぐにつながっている。奥に向かうルートは、やや狭い。5mぐらいで上下に分かれており、下は水流部につながり、その先は天井が低くなって水没する。上方は相当な狭洞で、そこを抜けると突然のように大きくなる。幅1~2m、高さ2~3mの蛇行した通路で、つらら石などの二次生成物も見られる。
 しばらく行くと再び水流が現れ、5m程先のプールからあふれ出してきている。その奥は狭洞で、匍匐前進で10mぐらい入洞できるが、その先は行き止まりになる。
 この新洞を『荒沢谷鍾乳洞』と命名した。全長は約50mぐらいあるので、測量する必要がある。
(芦田 記)