青岩鍾乳洞取材ケイビング

1984年5月13日(日)。山梨県北都留郡丹波山村の青岩鍾乳洞で、小学館の『少年サンデー』の取材兼ねた第2次探検ケイビングを行う。参加者は芦田、小谷野、白幡、廣瀬、深田、村井、百瀬の7名。
 前回のケイビングから5年ぶりということで、青岩鍾乳洞が初めての会員も多く、また、青岩鍾乳洞が規模、二次生成物ともに関東有数であることから、今回のケイビングには期待できそうである。
 午前0時に新宿駅に集合し、レンタカーを借りて出発した。途中、奥多摩駅で休息し、新宿から約4時間で林道終点に到着した。ここで仮眠と朝食をとり、7時に三条の湯小屋へ向かう。山道を歩くこと20分。三条の湯小屋で『少年サンデー』の取材スタッフの人たちと合流し、ガイドの人も含めて計11名で、午前9時ごろ出発した。かなりきつい山道を40分ほど歩いて、ようやく青岩鍾乳洞の洞口に到着した。
 ひと休みすると、いよいよ入洞開始。まずはガイドの人が先行し、続いてスタッフ、芦田、小谷野、各会員という順。しばらくはやや単調な横穴が続くが、それでも『迷いの十字路』、『カニの横ばい』、『ヴィーナスの門』、『観念の穴』など、おもしろいネーミングの場所がある。それらを抜けると、やがて大きなホールに出る。そこからは石筍、石柱、つらら石、フローストーンなど二次生成物が豊富となり、洞窟形態も複雑になる。
 取材のための写真を撮影しながら、ゆっくりと移動する。主な見どころは、とりわけ二次生成物が豊富な『白亜の殿堂』。20m以上はあるかと思われる真っ白な氷河状のフローストーン『青岩氷河』。ここでは撮影のため、村井だけ特別に登る。村井曰く「幻想的な気分だけど、足下が不安定で怖い」。
 そのほかにも滝登り、クレバス渡りと、見どころ豊富で、今回は会員が持ってきたカメラがじつに5台! 白幡曰く「そのうち、カメラも標準装備になりそう……」。
 この後、さらに奥へ進むと、洞内が一変して、水流あり、チムニーありと、本格的な探検ケイビングらしくなってくる。廣瀬曰く「まるで沢登りみたいですね」。
 そして、今回の最終地点である大滝に至る。ここには落差18mの滝があり、今回のハイライトシーンを撮影することになる。犠牲者は芦田。滝の冷水を浴びること数分間。全身ずぶ濡れになる強行撮影である。芦田曰く「タイベックがほしい……」。
 こうして、無事(?)撮影も終わり、全員が洞窟気分を満喫して引き返す。洞口を出たのが午後1時。この青岩鍾乳洞は全長700mと言われているが、実際には1000m以上ありそうだ。帰りの山道では洞窟探索シーンの野外撮影も行う。
 そして、三条の湯小屋の人たちに礼を述べ、早々に下山。奥多摩湖畔で取材スタッフの人たちと食事をする。山菜料理がじつにうまい。やがて心身ともに満足感を味わった一行は、そのまま東京への帰途についた。
( 村井 記)