水澄の穴/岩根洞予備調査ケイビング

1984年5月4日(金)。埼玉県大里郡寄居町にある水澄の穴と岩根洞で予備調査ケイビングを行う。
 今回の目的地である『水澄(すいっちょ)の穴』は東武東上線の荒川鉄橋下流300m付近の右岸岩壁にある。この洞窟は南北方向の割れ目系に発達した横穴で、全長は約25mである。小さな洞口が3つあるが、すぐに連結し、高さ1~1.5m、幅0.5m前後、傾斜20度程度でほぼ一直線に伸びている。全体的に浸食の痕が著しく、また、主洞に対して直角方向の割れ目系が何本もあるが、二次生成物はほとんど見られない。
 以上のように、この洞窟に関しては、本調査の必要性はあまりないと思われる。
 その後、地元の情報により、『岩根洞』と呼ばれる洞窟の調査をする。場所はJR八高線折原駅東方の深沢川右岸にある岩壁である。この岩根洞は全長約30mのやや複雑な横穴で、二次生成物もつらら石などが少し見られる。洞口から小ホール、2mの縦穴、高さ30cmの狭洞と続き、最奥部には20cm四方の、いわゆる『うらみの窓』ある。そこには風が流れ、その先には少なくとも4m以上の空間が見えている。
 以上のように、この洞窟に関しては、本調査の必要性を認める。そのときには最奥部の狭洞突破と石灰岩の転石が豊富な上流の沢を調査してみたいと思う。
( 深田 記)